技という伝統

ふっくらと大豆を煮る。丁寧に潰す。うまく糀と合わせる。
状態やタイミングの見極めを、機械の数値だけに任せることはできない。

じっくりと煮た大豆を丁寧に潰して糀と合わせ、常温で一年、自然の力にまかせて熟成させる。村山健次商店の味噌は、昔ながらの時間と手間のかかる製法で作り続けています。この製法でなければ出せない味があり、その味を長年愛してくださる方々がいるから。日本の家庭の味を支える味噌、その味は、家族の大切な思い出となるから。そのことをいつも心に留め、効率重視の製法では作り出せない「本当の味噌の味」を、お届けしています。

  • 【1】新潟県産大豆を使用。きれいに洗い、3時間ほど浸水させる。

  • 【2】昔ながらの大きな和釜で煮てアクを抜く。木杓文字で休むことなく混ぜ続け、約3時間。蓋をして一昼夜。余熱でじっくりと芯まで火を通す。

  • 【3】大豆の味をしっかりと引き出すために、きめ細かく潰す。

  • 【4】糀を適度な大きさに砕き、大豆・塩と混ぜる。手で持ち上げても崩れにくいくらいの柔らかさに仕上げる。

  • 【5】空気が入らないよう気をつけ、樽に詰める。シートを張って空気に触れさせずに寝かせる。3ヶ月に一度、天地返しを行って味を均一にする。

  • 【6】一年程度熟成させて完成。
    春仕込みは短め、秋仕込みは長めと、気候に合わせて熟成期間を変えている。


糀菌の棲む室で

ドブロクを家庭でつくる時代、行列のできる糀があった。
村山健次商店には、当時と同じ室(むろ)と製法で、
自慢の糀を仕込む職人がいる。

約130年前に酒蔵として創業した、村山健次商店。糀づくりでは新潟下越で一番という評判の良い糀が評判をよび、どぶろくづくりのために糀をもとめる人々が行列を作ったほどだったと言います。その当時から受け継がれてきた熟練の技で仕込む自慢の糀が、味噌の味を支える重要な素材のひとつ。丹念な手作業によって作られる糀は、米粒の内部まで麹菌が根を張り花が咲くことで、純白で甘みがしっかりした仕上がりに。芳醇な香りのこの糀があってこそ、村山健次商店の味噌の味が作り出されるのです。

  • 【1】米どころ新潟の県産米を、味噌に合うブレンドで使用。
    きれいに洗い、半日ほど浸水させる。

  • 【2】蒸し器で蒸し、広げて水分と熱を飛ばす。

  • 【3】熱を逃がしつつ、手早く数回に分けて種麹をまく。手作業で行うため、職人の技が肝。この時、米の表面に傷をつけることで、糀の根をしっかりと張らせる。

  • 【4】へぎに布を敷き、糀を丁寧に広げる。
    山並みに並べることで酸素が入り、菌の増殖を促す。

  • 【5】三日二晩保温し、糀に花が咲くのを待つ。
    この間、職人が室につきっきりで、温度と湿度を管理する。

  • 【6】糀の花がきれいに咲いたら、自然に熱を逃がして完成。


郷の幸を味噌とともに

江戸時代の良質の品種「藤五郎梅」、特産の梨、茄子や胡瓜など。
肥沃な亀田郷では、果樹や野菜の農産物も豊か。

村山健次商店創業の地、越後 亀田郷。信濃川と阿賀野川、小阿賀野川に囲まれる低湿地で度重なる水害に苦労する一方、新潟方面からの舟運と会津からの陸路の結節点という利を生かして繁栄し、豪商が活躍した地域でもありました。先人の努力によって拓かれ現在まで続く豊かな水と肥沃な土壌は、米はもちろんのこと梅や梨などの果樹栽培にも適し、品質の高い農作物が今もたくさん作られています。この地で育まれた美味しさを、たくさんの方にお届けしたい。創業から変わらぬ想いで、作り続けています。

まろやかさの決め手は
名産の梨から作った蜜にある

梨蜜(なしみつ)とは亀田郷の名産である梨を絞った果汁を、じっくりと煮詰めてできたものです。砂糖や保存料を一切使わず、自然な優しい梨のほのかな風味とまろやかな味が特徴です。味噌の塩気を包み込む事で味の角がとれ、まろやかでゆたかな味わいに仕上がります。

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